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不登校の原因は何?│親が知っておくべきこと・すべきこと

2021/07/25

不登校の原因が一つだけで、それが分かったらどんなに良いことでしょう。
でも「本人も理由がはっきり分からない」というケースが多いのです。

人は困ったことがあると他人のせいにしたくなります。
不登校の原因調査について、面白い事例を見つけました。

文部科学省の調査では「親」が高い原因を示していました。
保護者団体の調査では「学校」が高い原因を示していました。
どっちもどっち、ですね。

不登校の原因は単純化しないことが大切です。
様々な要因が複数あり、長い間積み重なった場合が多いからです。

ではどんな原因があるのか?
私の経験から幾つかの分類に分けてみました。

そして、そこから親の対応についてアドバイスをします。

1. 不登校の様々な原因

原因の分析には、様々な切り口があります。

親とか先生とか友達とか、接する相手で分ける
身体障害、発達障害など健康面に注視する
学校、受験、塾など勉強面から考える
どれも、それぞれ一理あると思います。
ここでは私の20年の教育経験から感じる、実際的な区分をご紹介したい思います。
(小中学生の塾として10年、通信制高校のサポート校として10年以上の経験があります)

1.1 不可抗力

文字通り、本人にはコントロールできない環境要因です。
不運という言葉で済ませたくない辛い経験です。

外国籍で肌の色や言葉などで苦労してきた
中学の学区に荒れた生徒ばかりで学級崩壊
近辺の生徒に脅迫され不良グループに入った
これらは、大変に対処が難しいです。
PTAが交代で学校を見回りをしたり、最悪は県外の全寮制の学校に転校したり…
親も子も大変な苦労をするのを見てきました。

1.2 身体的な理由

これも一種の不可抗力と言ってもいいかもしれません。
見た目はなんともないだけに偏見にさらされやすいです。

心臓病で、毎日は学校に通えない
朝が弱く、高校で一限目の単位を落とした
発達障害で、賢いのに文字の読み書きが苦手
朝が弱いというと「怠けている」と思う人が多いです。
しかし起立性調節障害などで、起きたくても本当に起きられない症状の子もいます。
いずれのケースも、周囲の理解と協力が欠かせません。

1.3 家庭問題

子供は親を選べません。
子供は家庭を選べません。

家庭が貧しく、働かなければならなくなった
DV(家庭内暴力)で落ち着かない
一人っ子で親が過干渉、逃げ場が無い
精神的に落ち着かない、辛い環境です。
親が変わるしかない、そういうケースもよくあります。

1.4 クラスの人間関係

人間関係、というのが一番多い悩みです。
もちろん、悩むことが勉強でもあるのですが。

クラス替えで友だちができなかった
LINE外しのようなイジメにあった
高校に入学したら雰囲気の合わない生徒ばかりだった
中2や高2のクラス替えでたまたま友達ができず、ズルズルと、というのはよくあります。
最近のイジメは殴るような暴力よりも仲間外れが目立つように感じられます。
入学したての4月、5月の悩みのご相談は多いです。

1.5 部活動がきっかけ

学校に行くのは部活動のためではありません。
「帰宅部」だって構わないはずです。

厳しすぎるルールと長時間の束縛
1年生でレギュラーになり先輩から疎まれた
先生と合わなかった
人数が多いほど人間関係の軋轢も生じやすくなります。
私の経験からは吹奏楽部がその傾向が高いです。
部活動の顧問の先生がいくら頑張っても「合う合わない」は常に生じます。

1.6 学校外の活動

前向きな理由。
でも不登校を「病気や経済的理由以外で30日以上欠席」とするならば、不登校に区分されます。

高校生でITの会社を起業して忙しくなった
芸能活動(アイドルが多い)と高校生活の両立
プロスポーツ選手を目指し合宿や遠征が多い
(本当は全日制で毎日友達に会いたかった)という思い。
プロスポーツや芸能だけで生活できるのは、ほんの一握りという現実の不安。
順風満帆、などありません。

1.7 校則

どんな社会でも「決まりごと」は必要です。
学校も例外ではありません。
しかし、柔軟性も必要です。

厳しすぎる校則でノイローゼに
妊娠をして私立の全日制高校を退学
一度注意されてから問題児扱いに
コンビニに入ることを禁止している学校もあります。
良い悪いではなく、ひとつの方針として有りでしょう。
しかし私が生徒なら…息苦しく感じるでしょう。

1.8 勉強

勉強は大切です。
でも勉強のために人生を犠牲にする必要はありません。

中学受験で燃え尽きた
私立に入ったが進度が速すぎた
工業高校で提出物が出しきれなかった
私立受験をするときは「入ってからのほうが大変」と認識しておくことが大切です。
実業系(農業・工業高校など)は、テストよりも膨大な提出物が大変、と知っておくべきです。

2. 親が知っておくべきこと・すべきこと

親が知っておくべきことは、不登校にはこれだけ沢山の原因があり得ることです。
子どもは気楽な毎日を過ごしている良い身分ではない、ということです。

つまり、子どもだって「外に出れば七人の敵あり」
本来、家が唯一の安らげる場所なのです。

それならば、親は何をすべきでしょうか?
答は単純です。
家を安らげる場所にしてあげることです。

会社から帰ってきた旦那さんや奥さんに、なんと声をかけますか?
帰ってきたら「お疲れ様」ですよね。
会社の鬼上司のごとく「課題はやったか?」と責め立てないことです。

保護者を責めているのではありません。
お子さんが生まれた日のことを思い出してください。
子育てを楽しんでいただきたいのです。

そのためには、どうすればいいか?
ひとりで抱え込まないことです。
子育ては専門家とのチームワークと考えてください。

心の問題ならば心療内科クリニックで診てもらう。
中学受験ならば専門塾の先生におまかせする。
不登校問題ならばフリースクール。

保護者はこうした様々な分野の専門家にならなくて良いのです。
専門家におまかせして、親は親の役目に専念してください。

子どもが求める親とは?
子どもをひたすら愛し、信じ、話を聴いてあげればいいのです。

3. まとめ

不登校になる原因は驚くほど沢山あります。
そして複数の原因が絡み合っていることが普通です。

本人も理由がよく分からないのは、よくあることです。
だから原因をひとつに決めつけない方が良いでしょう。

親がすべきことは家をやすらげる場所にしてあげることです。
お疲れ様とあたたかく迎え入れてあげてください。

親の悩みはひとりで抱え込まないでください。
心療内科やフリースクールなど専門家とのチームワークを大切にしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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