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通信制高校の生徒が受給できる奨学金について│および奨学金以外の支援制度とは?

2021/08/05

高校進学率は97%を越え、高校全入時代と言われています。
しかし高校を卒業するには学費とそれ以外の費用がかかります。
そのため、国、地方自治体、民間において様々な財政支援制度があります。

この支援制度について、奨学金と奨学金以外の2つに分けてご説明します。
奨学金とは学業資金を「貸与」または「給付」する制度です。

1. 運営者による奨学金の区分

奨学金は「自治体が運営している」ものと「自治体以外が運営している」ものと、2つに分けられます。
自治体が運営している奨学金は、その自治体に住んでいることが前提条件となります。

1.1 自治体が運営する「住民が対象」の奨学金

高校奨学金は、国が日本学生支援機構(旧日本育英会)を通じて実施してきました。
しかし平成17年度入学者から順次「都道府県に移管」されました。
(例えば東京都では東京都私学財団が管理しています)

これを各自治体の育英資金と言います。
基本的にその自治体に住民票があることがひとつの条件となります。
育英資金とは、高校生のために学資を無利子で貸し出しする制度です。

高校生への貸付金は、以下の通りです。
■国公立 毎月1.8万円
■私立  毎月3.5万円

ご自分がお住まいの自治体の育英資金の窓口は、以下のように検索して調べましょう。

(例)千葉県
「千葉県 育英資金」

1.2 自治体以外が運営する「全国の住民が対象」の奨学金

自治体以外の奨学金は全国どこに住んでいても申請できる奨学金です。
代表的なものを以下にご紹介します。

■交通遺児育英会奨学金
保護者が交通事故で死亡あるいは後遺症で働けなくなった家庭が対象

■あしなが育英会奨学金
保護者が病気や災害など(交通事故以外で)死亡あるいは後遺症で働けなくなった家庭が対象

■阿部育英基金奨学生
通信制高校の生徒で経済的援助が必要と認められる者

2. 奨学金以外の支援制度

高校にいる間にかかるお金をまかなうのは奨学金がすべてではありません。
国や自治体が奨学金以外にもお金を至急する「負担軽減制度」があります。

2.1 国による就学支援金制度

就学支援金とは高校生の授業料の一部又は全部を支援する制度です。
家庭の収入によって支援金額が異なります。
国の制度ですが高校を通じて申請します。

2.2 自治体による奨学給付金制度

奨学給付金は授業料以外にかかる費用(学用品、修学旅行費、等)を支援する制度です。
非課税または生活保護を受けている世帯のみが対象です。
年間3万円~5万円程度の支給額です。

2.3 自治体による授業料減免制度

私立高校に通う家庭に対し、授業料の一部を助成する制度です。
助成の金額や年収条件が自治体ごとに大きく異なります。
また、通信制高校は一部の通信制高校のみ指定されている場合もあります。

詳しくは各自治体にお問い合わせください。

2.4 自治体によるその他の支援制度

他にも、例えば東京都では以下のような制度があります。

受験生チャレンジ支援貸付事業
入学支度金貸付制度
生活福祉資金貸付制度

これらの詳細については、東京都私学財団のホームページをご覧ください

3. 奨学金などを申請する窓口

就学支援金のみ高校が窓口です。
入学した高校から申請方法が案内されます。
それに従って進めるだけです。

就学支援金以外は、自治体の窓口と相談してください。
各自治体によって窓口の名前が異なります。
ホームページで検索しても複雑すぎて担当窓口が分からないと思います。

おすすめの方法は、ひとつです。
市役所や町役場などの代表番号に電話して「高校生の奨学金の窓口」を尋ねることです。
そして、たどり着いたその窓口で奨学金以外の高校生家庭への支援についても尋ねましょう。

4. 奨学金で注意すべきこと

奨学金は「お金」です。
お金にトラブルはつきものです。
以下のポイントに注意しましょう。

申請のスケジュール
審査基準を満たすこと
返済の計画

4.1 申請のスケジュール

奨学金によって、年間の予定が決まっています。
いつが申請の締め切りで、いつお金が支給されるか、ということです。
お金は急には支給されません。
早めに申請することがポイントです。

4.2 審査基準を満たすこと

支給条件は親の年収だけではありません。
学校の成績が基準になることもあります。
例えば5段階評価で3.5以上、のような基準です。

もし成績が大幅に下がったとしましょう。
すると支給が停止される場合がありますのでご注意ください。

4.3 返済の計画

奨学金は一部には返さなくてもいい「支給」タイプの場合もあります。
しかし大半の奨学金は返済が必要な「貸与」です。

返済の計画をしっかりたてて借りてください。
これを怠ると、高校卒業後に苦しむことになります。

ー コラム ー

奨学金に似たものとして、国の教育ローンが紹介される場合があります。
しかし今回の記事に「国の教育ローン」は含めませんでした。
国の教育ローンとは、国民政策金融公庫が低金利で学資用に貸し出してくれる制度です。
特徴は、国が支援しているので民間の教育ローン等に比べて金利が最も低いということです。
要するに金利が低いローンであり、直接的な学業支援ではありません。
教育ローンについては、別の機会にご説明させていただきます。

5. まとめ

奨学金には以下の2種類があります。

自治体が運営する「住民対象」の奨学金
自治体以外が運営する「全国対象」の奨学金
国・または自治体による奨学金以外の支援制度も各種あります。

申請窓口は就学支援金のみ高校が窓口です。
それ以外は自治体の代表番号にかけて窓口を尋ねましょう。

奨学金について、以下のポイントに注意して申請しましょう。

早めに申請すること
審査基準(成績等)に注意
返済計画をしっかりたてる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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